オランダなう

オランダ連立政権 移民政策の相違により崩壊

2023-07-07

オランダ政府は、移民政策をめぐる連立政党間の意見の相違により崩壊した。

(本記事末尾にマーク・ルッテ首相の政界引退についての記事追加。7/10。)

マーク・ルッテ、オランダ首相は記者会見で、数カ月前から協議されてきた移民問題をめぐる連立4党(VVD、D66、CU、CDA)の和解しがたい意見の相違が理由と発表した。

ルッテ氏のVVD党は、迫害の脅威にさらされている人々に、紛争地域からの逃亡者よりも多くの権利を与えるという、難民申請者の2段階制度を提案していた。
また、第2カテゴリーに属する移民を追って移住できる家族の数を年間200人に制限することを求めていた。

しかし、CU(ChristenUnie)とD66党は、家族を引き離したくないとして、2番目のポイントに反対した。

オランダでは昨年、難民申請が47,000件と3割以上急増し、政府の発表によると、2023年にはおよそ70,000件の申請が予想されている。

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ルッテ首相は56歳で、2010年以来、同国で最も長く首相を務めている。2022年1月に発足した現政権は、ルッテ氏にとって4度目の連立政権である。
PVVのような右派政党の台頭により、ルッテ氏は移民問題で圧力を受けている。
今年3月の選挙で衝撃的な勝利を収め、参議院で最大政党となった農民市民運動(BBB)は、ルッテ氏が率いる将来の政権には参加しないと述べた。

ルッテ氏は土曜日にウィレム=アレクサンダー国王に辞表を提出する予定だ。
今のところ、現政権は秋の終わりに予定される総選挙まで、暫定政権の地位を維持する。
暫定政府は、緊急事態の場合を除き、新たな政治的決定を下すことはない。

7月10日情報アップデート

オランダのマーク・ルッテ首相は、連立政権の崩壊に端を発した総選挙において、首相再選に立候補しないことがわかった。

首相は短い声明の中で、現在の暫定内閣の任期が終了した時点で政界を引退すると語った。
「ここ数日、私のモチベーションは何なのかという憶測が飛び交っている。答えはただひとつ、”オランダ”です。」とルッテ首相は語っている。

社会党のリリアン・マライニッセン党首は、ルッテ首相の退陣を「賢明な判断」とし、できるだけ早く選挙を実施するよう求めた。
BBB(農家市民運動)党首を含む他の政党トップらも、ルッテ氏が「責任ある」決断を下したとの見解を示した。