9月の第3火曜日にあたる本日は、オランダで「王子の日(Prinsjesdag)」と呼ばれ、翌年(2025年)の政府予算と政策が発表される日である。
本日発表された2025年度オランダ国家予算の主なポイントは以下の通り。
- 購買力
購買力は平均で0.7%増加すると見られる。
給付金で生活している人々の場合、0.9%の増加となり、年金受給者は0.6%の増加となる。
最も大きな増加は、年間総所得約50,000ユーロの中低所得者層で、1.1%の増加が見込まれる。 - 財政赤字
2024年の予算赤字は国民所得の1.8%に達する見込みだ。
2025年には2.5%となり、これはヨーロッパ基準の予算最大赤字である3%に近い数値だ。 - 経済成長
オランダ経済は今年0.6%成長し、2025年には1.5%成長する見込みだ。 - 個人の所得税
新しい税率区分が導入され、現在の低い区分が2つに分けられる。
第1区分は38,441ユーロ未満の所得に対して35.82%の税率が適用される。
第2の区分は38,441ユーロから76,816ユーロまでの所得に対して37.48%の税率が適用される。
最も高い税率区分は、引き続き49.5%のままとなる。
同時に、一般的な税額控除(algemene heffingskorting)は削減される。 - 子ども手当
子ども手当(kindgebonden budget)は、子ども一人につき年間最大75ユーロ増加する。
このために3億ユーロが予算として確保される。
さらに、4億2500万ユーロが育児手当(childcare allowance)に充てられる。
特に高所得の親がこの恩恵を受けることになる。
(記事は広告の後に続きます。)
- 賃金の上昇
賃金は4.3%上昇する。 - エネルギー費用の支援
エネルギー代を支払えない人々は、2025年および2026年にも支援を申請できる。
政府はエネルギー緊急基金として6000万ユーロを拠出している。 - 無償学校給食
低所得世帯向けの無料学校給食プログラムは、2025年も継続される。 - 月々の健康保険料上昇
月額健康保険料は、平均165ユーロになると見込まれる。
つまり、1か月あたり6ユーロの増加となる(実際の増加額は各健康保険会社によって異なる)。
収入が低い人々のための月額医療手当(zorgtoeslag)は6.50ユーロ増額される。
自己負担額(eigen risico)は385ユーロのままとなる。 - VAT率
文化、スポーツイベント、ジム、書籍、ホテルに対するVATが現行の9%から21%に引き上げられる。 - 住宅購入に対する不動産取引税
2026年から、購入者が自宅として使用せずに賃貸する物件に対する不動産取引税が現在の10.4%から8%に引き下げられる。
これは、民間賃貸市場における利用可能な賃貸物件を増やすことを目的としている。 - 公共交通
NSの鉄道チケットは6%値上げされる。
以前はNSが12%の値上げを発表していたが、政府は4億ユーロを割り当てて値上げを6%に抑えるとしている。
さらに、新しい道路と公共交通の接続のために、25億ユーロが予算として確保される。 - 住宅所有者へのグリーン補助金
5億7800万ユーロが、断熱材、ヒートポンプ、ソーラーボイラーなどを用いて自宅をより持続可能にしたい住宅所有者への補助金として割り当てられる。 - 難民受け入れ削減
政府は、オランダでの難民申請者の受け入れ数を減らすために9500万ユーロを割り当てる予定だ。
そのうち約4500万ユーロは国境管理の強化に使われる。
2029年までに、政府は国境管理に最大で1億5100万ユーロを費やす計画を提案している。
では、これらの政策や予算の財源はどこから来ているのだろうか?
2025年の主な歳入は以下の通り。- 個人所得税: 973億ユーロ
- VAT: 822億ユーロ
- 健康保険料: 600億ユーロ
- 社会保険料: 468億ユーロ
- 法人税: 466億ユーロ
- 雇用保険: 409億ユーロ
- 物品税: 123億ユーロ
- 譲渡税・保険税: 80億ユーロ
- 配当税: 66億ユーロ
- 環境税: 64億ユーロ
- 自動車税: 50億ユーロ
- 関税: 41億ユーロs
- 贈与税・相続税: 36億ユーロ
- その他の税金: 52億ユーロ
注意:
上記は計画であり、実際には議会の両院を通過を経て正式に発表された後に公式となる。