オランダなう

オランダ新政権 極右ウィルダース首相にならないことを表明

2024-03-14

2024/3/14 情報アップデート

ヘルト・ウィルダース氏が、次期政権樹立に向けて協議中の4党連立政権での首相就任を断念すると発表した。

ヘルト・ウィルダース氏が率いる反イスラムの極右政党PVVは、昨年11月の総選挙で予想を裏切り大きな勝利を収めた(下記元記事参照)。
しかし、PVVが絶対多数を得られなかったことや、選挙以来ウィルダース氏の極端な意見のために他の政党がウィルダース氏との連立政権樹立に消極的であったことから、ウィルダース氏は新政権樹立に苦戦してきた。

しかし、ウィルダース氏は選挙に勝利して以来、連立のために幾度となく過激な意見を抑えてきた。
昨日、またしても妥協を強いられた格好で、X(旧ツイッター)で次のように発表した。「私が首相になれるのは、連立を組むすべての政党が支持してくれる場合だけだ。しかしそのような事実はない。私は右派内閣を望む。亡命と移民を減らす。オランダファースト。国と有権者への愛は大きく、自分の立場よりも重要だ」。

現在、連立政権樹立に向けて交渉中の4党は、PVV、中道右派のVVD、中道右派のNSC、農民党のBBBである。
合意の内容の一部として、4党の党首は新政権で閣僚職には就かず、議会の議席のみを維持する。

現在、誰が首相になるかは明らかではないが、各政党に受け入れられ、この特別内閣を救うに十分な政治経験を持つ右派、中道右派の人物が探されている。
この人物探しがいつ終わるかはまだわからない。


2023年11月22日に行われたオランダ総選挙のほぼ全投票が集計され、ヘルト・ウィルダース率いるPVV党が37議席を獲得し、最大の勝者となった。

PVV党(Partij voor de Vrijheid)は、反イスラム、反移民、EU懐疑主義で知られるナショナリスト、極右、ポピュリスト政党である。
尚、ヘルト・ウィルダース氏は唯一の党員だ。

PVV党の37議席獲得(2021年の選挙より17議席多い)は、移民に対するオランダ人の態度の変化を明確に示している。
移民問題は今回の選挙の主要テーマのひとつであり、ウィルダース氏は昨日、「難民と移民の津波」に取り組む意向を明らかにした。

2党からなるGroenLinks-PvdA連立党が25議席で2位(2021年比8議席増)、マーク・ルッテ前首相のVVDが24議席で3位(2021年比10議席減)に決定している。

(記事は広告の後に続きます。)

この記事執筆時点での主な市町村での第1位は以下の通り。

どの政党も絶対過半数(下院全150議席のうち最低76議席)を獲得できないため、政府は2つ以上の政党の連立でなければならず、これはオランダでは通常のケースである。
歴史的に見て、PVV党の極端な意見を理由にPVV党との連立を支持した政党は存在しない。
しかし、オランダ国民の態度の変化とPVV党の37議席獲得により、他の政党がPVV党抜きで連立政権を樹立することは困難になる。
すべての票が集計された後、連立政権樹立のプロセスが始まる。
これには、さまざまな政党が理想的な連立政権を形成するために相互に交渉することが含まれる。
これには長いプロセスがかかり、オランダに政府が発足するまでにはおそらく数カ月かかると見られる。

この記事は新しい展開があった場合には情報アップデート予定である。