9月の第3火曜日である本日は、オランダで王子の日(Prinsjesdag)と呼ばれ、翌年(2024年)の政府予算と政策が発表される日である。
本日発表となった、2024年度オランダ国家予算の主なポイントは以下の通り:
- 支出予算
2024年の政府総支出予算は4336億ユーロ。
このうち、医療費(1113億ユーロ)、社会保障費(1109億ユーロ)、教育・文化・科学費(500億ユーロ)が上位3分野となる。
国防費は最下位:第6位(198億ユーロ)である。 - 政府収入
政府は主に税金から4029億ユーロの収入を見込んでいる。
そのうち所得税がトップ(908億ユーロ)で、VAT:付加価値税(795億ユーロ)、健康保険料(560億ユーロ)が続く。 - 購買力
政府は、すべての人の購買力を高め、貧困から抜け出す家庭を支援するために、さらに20億ユーロを割り当てる。
これにより、来年の購買力は平均1.8%上昇する見込みである。 - 経済成長
経済成長率は今年の0.7%から1.5%に上昇する見込み。 - 国家債務
国家債務はGDPの47.3%まで減少すると予想される。 - 財政赤字
財政赤字は2.9%に増加し、EUの上限である3%をわずかに下回る。 - 失業率
失業率は現在の3.6%から4%に上昇すると予想される。 - 個人の所得税
オランダ国民全体の所得税も若干上昇する。
76,000ユーロまでの所得に対する税率は現在の36.93%から36.97%に若干引き上げられる。 - 中小企業および個人事業主
中小企業および個人事業主の利益控除(mkb-winstvrijstelling)は現行の14%から12.7%に引き下げられる。
これは、課税対象となる利益が増えることを意味する。
背景にはオランダ政府が、雇用されて労働する人と事業主の納税額の差を減らしたい目的がある。
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- 資産税
資産増加に対する税率は32%から34%に引き上げられるが、非課税限度額は独身者の場合57,000ユーロ(夫婦の場合114,000ユーロ)のままとなる。 - 子ども手当
チャイルドサポート(kindgebonden budget)は増額される。
第一子については年間750ユーロの増額となる。
2人目以降は年間883ユーロ。
また、12歳から17歳までの子どもについては、年間400ユーロの増額となる。 - 保険給付金・住宅手当
保険料給付金(zorgtoeslag)の最高額は現在の月額154ユーロから127ユーロに減少する。
一方、賃貸住宅手当(huurtoeslag)は年間416ユーロ上がる。
huurtoeslagは通常、ソーシャルハウジングにのみ適用されるため、民間住宅で賃貸している人は、残念ながらこの上昇の恩恵を受けられない。 - 月々の健康保険料上昇
健康保険料は月額約12ユーロの値上げとなり、平均額は月額149ユーロとなると見られる。
これは政府のガイドラインであり、各保険会社は年末に料金を決定する。 - 公共交通機関
オランダの鉄道会社NSは来年、インフレ率に3.5%を上乗せして料金を値上げする。
また、地方交通機関では、電車、バス、地下鉄のチケットが最大11%値上げされる。 - アルコールとタバコ製品
4月以降、タバコ20本入りは平均10.70ユーロ、巻きタバコ50グラムは24.14ユーロとなる。
アルコール類はインフレ率に応じて増税される。 - 燃料価格
燃料税が引き上げられ、ガソリン1リットルが0.21ユーロ、ディーゼル1リットルが0.135ユーロ高くなる。 - 交通違反金
交通違反の罰金が10%引き上げられる。
例えば、赤信号無視の罰金は300ユーロ、運転中の通話は420ユーロとなる。
注意:
上記の計画は、議会の両院を通過して正式に発表された後に公式となる。