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オランダ王子の日 来年2026年度の政策や予算発表

2025-09-16

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9月の第3火曜日にあたる本日、オランダでは「王子の日(Prinsjesdag)」が行われ、2026年度の政府予算と主要政策が発表された。

発表によれば、オランダ経済は2026年に1.4%成長する見通しで、EUの基準を守った形で財政赤字は国内総生産(GDP)の–2.9%に収まる予定となっている。賃金は4.2%上昇し、インフレ率(2.3%)を上回るため、多くの人々にとって実質的な購買力は1.3%改善すると見込まれる。政府は防衛(GDP比2.2%、268億ユーロ)や教育にも重点的な投資を行う方針を示した。

以下、主なポイントをまとめる。

経済と財政

・オランダ経済は引き続き成長見込み(+1.4%)だが、過去数年よりは鈍化。
・賃金上昇率4.2%、インフレ率2.3%で、家計の実質購買力は+1.3%。
・財政赤字はGDP比–2.9%、国債残高は47.8%に増加するが、EU基準(60%以下)内に収まる。
・高齢化、医療、防衛費などが今後の財政に圧力を与える見通し。

家計と暮らし

・エネルギー税控除は継続(やや縮小)。低所得世帯向けに追加で6,000万ユーロ、EUからの1億7,450万ユーロと合わせて特別基金を設置。
・医療費は上昇。健康保険料は月平均159ユーロに(今年より約32ユーロ増)。低所得層は手当で補填。
・住宅支援拡大により、約17万世帯が新たに家賃補助の対象となる。
・育児費用軽減のため、1億9,900万ユーロを追加投入。
・大都市の公共交通支援として、予定されていた1億1,000万ユーロの削減を撤回。NS職員用ボディカメラ(1,200万ユーロ)や駅の安全対策(2,000万ユーロ)に追加投資。

税制

・相続税・贈与税は、不動産の評価基準を「WOZ値」から実際の市場価値へ変更。これにより課税額が増える見込み。
・砂糖税の対象を拡大し、甘味乳飲料(例:チョコミルク、Fristi)にも適用。1リットルあたり26セントの追加課税。
・燃料税の減免措置は2027年1月まで継続され、ガソリンやディーゼル価格を抑制。

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教育

・教員不足対策として2億7,240万ユーロを投資。そのうち5,400万ユーロは異業種からの転職者研修に充当。
・学校教育では読み書きや数学など基礎学力を重視。職業学校に4,700万ユーロを投入し、基礎スキル不足を補う支援を実施。

移民と外交

・帰国できない難民申請却下者を対象に、海外に「リターンハブ」を設置する計画。2028年までに最大1億1,800万ユーロのコストを見込む。
・国際的には、災害救援に4億7,500万ユーロ、途上国との貿易促進に1億ユーロを拠出。

注意:上記は現時点での計画であり、議会の承認を経て正式なものとなる。