起業家として居住許可を取得してオランダに移住する方法。
オランダは日本人が起業して移住するのに非常にハードルが低い国と言えます。
1912年に取り交わされた日蘭条約により、日本人には優遇措置が取られているためです。
また2020年からの改正により、家族の就労が可能になり、このビザでの移住メリットが増えました。
日蘭条約を利用してオランダ移住をするための最新情報のページ。
起業家としてオランダ居住許可を取得するメリットや条件、申請の手順とは?
2023年度最新情報目次:
日本国籍者への優遇措置、日蘭友好通商協定の概要
日本とオランダとのあいだでは1912年に、「日蘭友好通商協定」通称「日蘭条約」または「日蘭協定」が結ばれ、通商航海の自由と最恵国待遇が約束されています。
これは、日本人が厳しい条件なしに、オランダで起業して、居住することが許可されたものです。
「オランダで起業」と聞くとハードルが高そうですが、個人事業主/フリーランサーや、2名以上で行うパートナー事業、有限会社、株式会社、非営利団体や日本での既存企業の支店が含まれ、選択肢は幅広いものとなっています。
居住許可取得に必要なことは、ビザ申請者が自身の事業をオランダに登記し、最低4,500ユーロの投資を行うことです。
事業の株主が複数存在する場合には、各申請者は少なくとも25%のシェアを所有する必要があります。
この日蘭条約の優遇措置を利用して移住希望をする日本人は、ほとんどが、個人事業主/フリーランサーとしての申請を選びます。
オランダで起業ビザを取って移住するためには、いろいろな手続きが一番簡素化できるからです。
オランダの事業構造や種類についてはこちらも合わせてご参照ください。
わずか4,500ユーロ(約67万円)の投資で起業ビザが申請可能とは、まさに日本国籍保有者が持つ特権であり、他の諸外国でのビザ取得と比べて、とても容易な移住要件です。
(記事は広告の後に続きます。)
どんな職業でオランダで起業すれば良い?
この日蘭条約を活用されて移住する日本人の方の職業の例としては、
- アーティスト
- ミュージシャン
- 職人
- 教師、インストラクター
- コンサルタント
- IT系フリーランサー
- グラフィックデザイナー
- 美容師、ネイリスト、ヘアーリスト、アロママッサージ等の、ビューティー関連事業
- 指圧や、整体師、鍼灸、などヘルス関連事業
- カフェ、ラーメン屋、日本食店、寿司屋、居酒屋などの飲食店経営
- 寿司職人、シェフ、ケータリング
- ベビーシッター、ドッグシッター
- オンライン小売業
ただし、医療従事を始めとするいくつかの専門的職業での事業登録の場合には、ご自身の職歴や、スキル等の経歴の評価と、オランダでの免許が必要です。
大多数の職業では日本より報酬が高いため、オランダで起業することは多くのチャンスとメリットがあります。
オランダで起業家ビザを取得するための条件とは?
この特権を利用して移住をするために必要な条件は、以下の4つです。
- 日本国籍であること。
- オランダに対してリスクとなる人物ではないこと。
- オランダで住まいを探し、住所を確定し、住民登録をすること。
- オランダで自身の事業の登録(フリーランサー含む)をし、最低4,500ユーロ(約67万円)の投資をすること。
オランダ起業ビザ申請には年齢制限はなく、その家族(配偶者またはパートナー、未成年のお子様)は一緒にオランダに移住できます。
PR: オランダでの住所、住宅をお探しならオランダコンサルタントへ。
申請の手順は?
申請の手順は居住するエリアにもよりますが、多くの場合は以下です。
- オランダでの住まいを探し、賃貸契約書(またはそれに準ずる書類)を取得、住所を決める。
- 移民局に必要書類を提出し、申請料を支払う。
- 移民局支局にて、仮滞在許可取得、指紋を提出し、写真撮影を行う。
- 住所のある市役所にて、住民登録をする。
- 事業計画を立て、自身の事業を登記する。
- 投資金4500ユーロを事業名義の銀行口座へ入金する。
- 会計士サイン入りオープニング・バランスシートを作成する。
です。
申請手続きには、特定の必要書類を提出します。日本からご用意いただく書類を含めこちらで遠隔での補助が可能です。
申請手続きにかかる料金とプロセス期間
申請料金は、申請者本人350ユーロ、配偶者/パートナー210ユーロ、お子様70ユーロ(2023年5月現在)です。
2023年から申請者本人の申請料金が大幅に値下がりになりました。
申請全体のプロセスは数週間で完了し、申請開始から通常最大3ヶ月で移民局から滞在許可の可否が通知されます。
ビザの切り替えについて
近年、オランダへワーキングホリデーで来る若い日本人の方々がオランダにチャンスを見出し、起業家ビザに切り替えてフリーランサーとして働かれるケースが増えています。
また、オランダで雇用契約を持ち就職されていた方が、より働きやすい環境を求め、独立される方も多いです。
その場合にも、起業家ビザへ切り替えることで、ひとつの働き先に縛られることなくより自由に働くことが可能となります。
ビザの更新について
オランダの居住許可は、はじめに2年間出ます。
2年後は、ビザの条件を守っている限り更新可能です。
2年後の更新申請が通ったあとは、5年の居住許可が出されます。
オランダに継続して5年間滞在し、条件を満たしていれば、オランダ/EUの永住権が申請できます。
起業家ビザ取得の家族へのメリット
2020年1月1日に政策が改善され、オランダで起業家としての居住許可を保有する人の配偶者/パートナー及び帯同家族には、労働許可不問でオランダで雇用され働く権利が与えられるようになりました。
例えば、フリーランサーとして移住されたご本人の配偶者は、オランダでアルバイトをしたり、正規雇用されることも可能です。
配偶者の方は、オランダにいらしてから就職活動を始めることも出来るため、日本から就労先を探すより有利になります。
世帯としては、起業家の収入のみに頼ることなく、配偶者の収入も増やすことができ、日本人にとってのオランダ移住のメリットがひとつ増えました。
オランダに起業家として移住するその他のメリット
オランダには事業主としての税制メリットが有り、税金を抑えるためのオプションが多く存在しています。
また、オランダと日本には条約が結ばれており、2重課税がないことは、日本からの収入を継続される方への利点です。
永住権を持たない移住者も、子ども手当や、医療費控除等、多くの給付金の申請ができます。
オランダ起業ビザ取得や移住全般、税金についてサポートはこちらまで。
オランダでの事業登録についてはこちらをお読みください。
今記事の提供元:オランダコンサルタント 政府公認税務オフィス